の新着記事

tobira0829.jpg

今日は日本橋は残暑が厳しいですのに、街角には秋の草花が咲き始めておりまして、秋の気配を感じつつ、まだセミの鳴き声に辺りの喧騒はかき消されるような日でした。

皆さまは「蝉の羽衣」と喩えられますきものをご存知でいらっしゃいますか。

沖縄で古来から、夏の衣として欠かすことの出来ない織物「芭蕉布」の別名でございます。
芭蕉には、実芭蕉、花芭蕉、糸芭蕉があり、この糸芭蕉から取った繊維で織られていまして、13世紀の頃に起源をもとめることが出来るようでございます。

麻よりも繊維が堅く、軽さと張りが特徴で、とてもさらりとした質感です。

こちらの画像は、2000年に人間国宝に認定されました平良敏子さんの作品でございます。

「芭蕉布づくりは糸次第」「糸と相談しないと何もできない」と平良さんは語られています。それだけ、芭蕉布は糸を作り上げるのに大変な労力を要します。
材料の糸芭蕉は収穫までにまめな世話が必要で、一本から作られる繊維は約30グラムです。そして、皮を剥ぎ、灰汁(あく)で煮てから竹のはさみ「えーび」でしごくなど工程は20を超えます。いわゆる「織りは全体の百分の一」と喩えるのもそれだけの複雑で高度な作業であることによります。

清々しい風を衣にしたような平良さんの作品は、伝統的な芭蕉布の継承し、守りながらも、現代の色彩感覚、意匠は留まることを知らぬかのように未来を感じさせて下さるかのようです。

大変な好評をいただいています萌の沖縄染織の展示もついに明日までになっております。
最終日の明日、ぜひ皆さまのお立ち寄りをお待ちしています。

  今日は多摩川の花火大会。
これで、東京の大きな花火大会もほぼ終わりになりますね。

とびら⑥.jpg

普段のお出かけやちょっとした下町散策に相応しい、浴衣をお召しになられるのも来年までのお楽しみになられるのでしょうか?

浴衣を来年も生地の肌触り涼やかに、色合い鮮やかにこころ新たに纏っていただくために少しだけ、お手入れをされることをおすすめいたします。

やはり、専門の業者にお任せになられるのが安心です。ただ、ご自分で洗われる方もいらっしゃるかと思います。
先ずは、漂白剤の入っていない洗剤をお使いになられて、必ず、冷水で(ぬるま湯ですと、色落ちの原因になりますのでお気をつけ下さい)押し洗いをして下さい。

色落ち等の原因になりますので、揉み洗いは「決して」なさらないで下さい。

その後、冷水でよくすすがれて、洗濯ネットに浴衣をいれられて手洗い用などのやさしい加減の脱水して下さい。

形を整えて日焼けしないように陰干しされてしっかりと乾かして下さい。
もし、アイロンをかけられるようでしたら、あて布をされることをお忘れなく。

 
浴衣は湯帷子(ゆかたびら)の略語で、もともと、上流階級の世界で湯浴みの際に身に纏った衣で汗取りに着た衣も同じ名前で呼ばれていたようです。
室町時代末期から次第に一般にも普及し始めました。そして、江戸中期から湯浴みの時に用いる衣と庶民の夏の衣の両方を指すようになりました。

当時の書物『守貞漫稿』には、「浴衣ノミ用フル者ハ袂ヲ縫ズ広袖也。単衣ニ代ル者は常の如ク袂ニス。蓋円袂ニハ製セズ、方形也」と記され袂の相違が出ています。
どちらにしましても、家着で浴衣が日中の外出着に着られるようになったの明治中期からのことだとか。

大正期前後から、綿縮や綿絽、紅梅織のような素材も使われ始めたとの事です。

現在では、化繊も含めまして様々な素材で作られていますけれど、それだけ生活に密着した夏を代表する和装といえますね。




 

とびら⑤.jpg
今年もお盆もあけましたが、花火大会や夏祭りで浴衣をお召しになられた方は多いのではないでしょうか?

 

知られます通り浴衣は和装の中で最も略装ですが、浴衣が正装にもなる。

といいますと驚かれる方もいらっしゃるのでは?

 

どなたにも通じる話ではないのですけれど、お相撲の世界、現役の力士だけの話です。
もっとも、いまの生活に身近な和装でもある浴衣のお話しをこれから、はじめて参りましょう。

とびら④.jpgお草履を履かれたあと、皆さまはいかがされていらっしゃいますか?

きもご自宅でのをお召しになられてお出かけになられた後に帰られてから、なかなか手が回らない方も多いのではないでしょうか?

次の機会に美しく、気持ち良くお草履をお履きいただくために少しだけコツがあるようです。

お脱ぎになられてから、お草履をやわらかな布でほこりを落します。汚れがありましたら中性洗剤を薄めてガーゼのような布をひたして、しっかりと絞ってから拭います。

あとは、湿気に弱いので通気性の良い場所で保管下さい。その時に、ビニール袋などで包まれたり、防虫剤を一緒に仕舞われると変色の原因になりますから、お気をつけください。

お草履を長持ちさせるポイントは、裏のゴムを時々交換して下さいませ。また、靴とは異なりまして右、左を毎回、交互に履かれますとゴムの減り方も同じになりまして、大切なお草履を長くお楽しみいただけます。


どうぞ、きものをお召しになられた時にはお試し下さいませ。

とびら、③.jpgこの前は、お草履から江戸時代にうまれた四字熟語「二束三文」のお話しをご紹介させていただきました。

今回は、お草履の作られていく工程に触れてみましょう。

こちらの画像は、革製のお草履の断面になります。

表面の、足が接する部分は「天革」と言いまして一般に革(エナメルは革の仕上げ方法になります)、布、ビニール、今の時期でしたらパナマ草を編みこんだものなどで作られていまして画像でしたら、一番上部の白色の革の部分にあたり、全体を覆っています。

そのすぐ下の部分にはスポンジが包まれているものが多いようですね。
萌では、外に取り出しますと5cmの厚さにもなる真綿を包んでいまして、こちらの画像もそのようになっています。

そして、その下は「芯」になります。
重ねのお草履は、この芯の部分が幾重にも重なり重厚さをだしております。このお草履の断面の芯は軽く、通気性の良いコルクでできています。

最後の地面に接する部分はウレタンゴムや皮で作られています。


あまりお目にする事も少ないと思いますけれど、皆さまが、せっかくのきものをお召しになられた時にお足が疲れにくいようにお草履にはいろいろな工夫がされています。

「草履」という言葉は中国の史書『後漢書』に見られ、平安時代にはすでに僧侶が用いていたとの事です。
当時のお草履はどのような作りになっていたのか、詳しくは分からないようですが昔も今も疲れにくい工夫が施されていたのではないでしょうか?



とびら②.jpg「きもののとびら」の<1>は、何事にも始めの一歩があるということで、その一歩を印す、お草履のお話しをはじめましょう。


「二束三文」という言葉があります。こちらは、ご存知の通り、量が多くて価値が低いものを表すのに使われております。

実はこの言葉は、お草履から生まれました。

江戸時代初期に人気のあった、とても丈夫で安価な金額で大量に売られていた「金剛草履」というものがあり、それが二束(二足)で三文の金額で売られていたことが由来です。

江戸時代には、雪駄やお草履は一足、十二文程度から売られていたようです。
また、弥次さん喜多さんで知られる『東海道中膝栗毛』ではお饅頭がひとつ五文で売られていました。

時代はみなそれぞれ、少し離れてはいますが、その金剛草履の安さは想像できそうです。

萌では、特別に誂えたお草履をご用意していますが、そんなお話しも思い出して頂けましても面白いのではないでしょうか。

きもののとびら<0> 2009年08月06日

明日は立秋。
夏至と秋分の間の、夏が終わり秋の気配が感じ始められる頃。
とはいえ、まだまだ残暑も厳しく八月の異名が「葉月」の他に「秋風月」といいますのも、新暦ではなかなか感じ難いようです。

旧暦のやさしい響きの言葉が織りなす季節の移り変わりや区切りは、日々の暮らしに折り目をつけるかのようです。


洋服だと気がつかないままに終わってしまいそうな何気ない毎日も、ちょっとした出会いから始まるほんの少しだけ特別な毎日になる、きもののある暮らし。

きものを纏っていなくても雲の行方や風の流れは身近にお感じになられることでしょう。
同じ日は二度やってくることはない、と、そっと教えてくれます。
毎日が特別な日。

きもののある暮らしは、そのような日。


これから、ご一緒に「きもののとびら」をたたいてみませんか?


きもののことはまだまだこれから、という方はご一緒に一歩ずつ進んでみませんか。そして、いろいろご存知の方はどうぞ、きものの後輩たちの歩みをお見守り下さい。

ちょっとした、きもののお話しを始めて参ります。

萌には、たくさんのとびらがあります。
皆さまに開けていただくのをお待ちしています。

ページトップへ